【初めての体外離脱 3 金縛りに始まってとうとう初めて体外離脱を体験したときの具体的な話です】

体外離脱

【初めての体外離脱 1】
【初めての体外離脱 2】

初めての体外離脱

初めて身体から抜け出ることができました。

その日の夜の出来事を、順を追ってお話しします。

金縛りまで

晩酌

夏でした。

晴天でした。

じりじりと暑い一日です。

仕事から帰宅して晩酌に、缶ビール麒麟一番搾り500ml1本、金麦500ml2本を飲みました。

この二つの飲み物は好物です。

いつもならもう少し飲むんですが、その日はお腹がいっぱいでやめました。

酔う前に止めたのがよかったのだと思います。

もっと飲んだら酔いつぶれて知らないうちに朝になっていたと思います。

寝る前の読書

この日から18日前に、ひょんなきっかけで「体外離脱」という言葉に接しました。

これなら自分にもできるんじゃないのかなと、関係する本をいろいろ読みまくったり、CDを買ったり、ネットで調べたりしていました。

これらについては、後日紹介したいと思います。

この日も、体外離脱を目指して関係する本を布団の中で読みました。

布団に入った時間は夜10時20分頃です。

読んだ本は、不思議大好き人間にはこたえられない内容の本です。

少しの間読書して眠りにつきました。

来たぞ金縛り

どのくらい経ったでしょうか。

ふと目が覚めました。

透明感のある雰囲気、妙な静寂さ、何かの気配。

子どもの頃から馴染んでいる例のやつです。

来ましたよ。

耳の奥にわっとした前兆を感じ、「キーーンンン」と耳鳴りがします。

身体が動きません。

待ってましたこの時を!!!

待ってたこの金縛り

ネットの情報で「金縛りから体外離脱できる方法」を知っていたのです私は。

ネットってすごいですね。

  • 金縛りになったら両足を天井に向けて上げる
  • 足を上げたまま、左右どちらかに身体を回転させると抜け出ることができる
  • 抜け出たら両手の平を確認する
  • 指が不完全だったら抜け出た証拠
  • 鏡に向かってパートナーパートナーと声をかける
  • 鏡から離脱中の世界でのパートナーが現れる
  • 離脱中にいろんなところに触れて物の感覚を確かめると現実に戻されにくい

大体こんなところです。

金縛りにさえなればこっちのもんだと思って毎日毎日待ち受けていました。

そして、体外離脱という現象を知ってから18日目で、「金縛り=恐怖」から解放される経験をしました。

丸まって左向きに寝ていた私にとうとう来たのです。

金縛りからの体外離脱

ぬるん

ふと目が覚め、金縛りの前兆を感じた後、耳鳴りがして身体が動かない。

慌てません、まだまだです。

耳鳴りのオクターブが上がるのを待ちます。

「ンンンンーーー・・・」オクターブが上がり、いつもならここでいろんな方々が姿を現します。

でも今回は寄ってくる気配がありません。

それもそのはず、怖い存在は、金縛りの恐怖心から脳みそが見せるリアルな夢なのです。

今、私は怖くありません。

耳鳴りのオクターブが極限まで高い位置にきました。

「イ--ンンーー・・・」と超音波です。

「よし!!」

最高潮の耳鳴りに「機を見るに敏」です。

意味は、「ちょうど良いタイミングだろうから今動く」ということです。

両足を天井に向けて上げました。

スッと上がりました。

腹筋を使っていないのに苦も無く両足が上がったことに「おお、これは成功か?」と気分が盛り上がります。

上げている両足がブルブル震え、身体もガクガク揺れ始めました。

「よし!!」

決心しました。

覚悟を決めました。

ここは和室です。

ベッドではなく布団を敷いて寝ているので、回転してもベッドから転げ落ちてけがをする心配もありません。

両足を天井に向けて上げたまま、「ふんっ」と左側に思い切り回転しました。

右肩と右ひじを振って、思い切り身体を左に回転させたのです。

「ぬるん」と、スライムの中から出てきたような、そんな感触を全身に感じて、寝ていた身体の左わきに「ばさっ」と落ちました。

簡単に言うと、「ぬるん」「ばさっ」と、出たのです。

四つん這いの状態でしばし放心状態です。

「ぬるん」とした感覚にとても驚き、今のこの状態をじっと噛みしめています。

「よし!」

早くここから離れようと思いました。

せっかく出ることができたのです。

いわば現実離れした楽しい遊園地に遊びに来ることができたのです。

逃げ出る

身体から出た私と寝ている私とはゴムのようなものでつながっていました。

紐とか太いロープとかそんなものではなく、私の背部、頭から腰まで全面に生ゴムのようなものが、寝ている身体との間につながっているのです。

立ち上がろうとすればたちまち後ろにギューッと引っ張られてしまうので、四つん這いのままです。

戻るのが嫌なので早く部屋を出たいと、気持ちがわさわさしています。

そんな不思議な状況で、怖いからぎゅっと目を閉じたままですので周りが見えません。

焦りながらも、目が見えないまましゃかしゃかと四つん這いのまま移動してふすまに手を掛けました。

きちんとふすまの感触を感じたことがまた不思議です。

スッとふすまを開けて四つん這いのまましゃかしゃかと手脚を動かして部屋の外に出ました。

そしてふすまを閉めましたら、不思議なことに背中の生ゴムの力が薄れました。

手が溶ける

これが夢の中の出来事なのか、それとも現実での出来事なのかを確認する方法があります。

夢だから好き勝手してもいいと変なことをしてたら実は現実社会でした、なんてことになったら目も当てられません。

確認方法は手を見るのです。

両手を開いて手のひらを見ます。

指が溶けていると、それは夢の中の出来事、体外離脱中の出来事なのです。

ということが頭に入っているので、まず両手の平を見ました。

なんと驚いたことに、両手の中指、薬指、小指がドロドロに溶けて形を成していませんでした。

どうせ夢なので指くらいどおってことはありません。

意外と冷静です。

これで離脱していることがわかりました。

いま私は体外離脱をしている最中なのです。

パートナーパートナー

体外離脱中に、行動を共にする心強いパートナーが存在するようです。

離脱中の世界について、相談に乗ってくれる、心の支え的存在なんでしょうか。

ずっとパートナー関係が続くらしく、途中で代えることができないとかなんとか。

早速洗面台の鏡に向かって「パートナーパートナー」と声を掛けました。

でも鏡には何も映っていません。

私の姿さえ映っていません。

体外離脱はリアルな夢だ、パートナーも自分のイメージで決まるはずだ、パートナーが馬とか牛とか意思疎通ができないような動物だと気が滅入る、おおた慶文さんの描くような美人をパートナーにする。

あらかじめそう考えていましたので、この先テンションが上がるか下がるかはここが肝心なところだと、一生懸命おおた慶文さんの描く美人をイメージしようとしました。

しかし、なぜかそう考えれば考えるほど逆のイメージが湧いて、しかもウチの黒猫が頭に浮かんだりして「このままだとうまくいかない」そう思い、今回はあきらめて外へ出ることにしました。

外の世界

慣れると扉や壁をすり抜けて外に出ることができます。

体外離脱を何度か経験するうちに当たり前にできるようになります。

でも、今日は初めての日です。

初日からはとても無理です。

この日は、寝ていた部屋から出るときも、玄関から外に出るときも、きちんと自分の手で襖や扉を開けて外に出ました。

外は夕闇です。

明かりは全然ありません。

街灯もついていませんし、どこの家にも明かりひとつついていません。

近所の家も庭木も塀も空も、夕闇に夕闇色で絵を描いたように暗く影もなく、空気が妙に澄んでいて静寂感があります。

夕闇一色です。

私は玄関前の階段に腰を下ろしました。

家から左に行くとすぐТ字路にぶつかり、そこから左右に道路が延びています。

初日の今日の私は、なぜか目をしっかりと開けることができませんでした。

薄目のままの周囲観察です。

夕闇一色ですが、真っ暗闇ではありません。

T字路付近に何かが見えました。

T字路の交差点から右側に少し進んだところに、白い靄(もや)に包まれた人影がひとつ佇んでいるのがぼんやりと見えています。

薄目を凝らして見てみると、警官のような軍人のような黒っぽい制服姿の人が右側をじっと見ています。

誰だろう、何してるんだろう、こんな誰も通らないところで。

そう思いながら階段に座ったまま彼を見ているうちに、頭がぼーとしてきました。

「やばい、戻される」そう思ったとき、意識がスッと自分の身体に戻るのを感じました。

そして私は、肉体の自分で目を開けました。

とても珍しくも楽しい経験でした。

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